2013年11月25日月曜日

きょうだいへの紙芝居の紹介

きょうだいレンジャーの思いを、がんばっているきょうだいの方々に伝えたい!!
という思いから、活動開始当初よりきょうだいレンジャーからのメッセージを込めた
紙芝居を作成し、使っています。

今月末の学会にてお話させていただこうと思っておりますが、発表時間内にじっくりご紹介することは難しいと思いまして、こちらでご紹介させていただきます。

私たちのメッセージは、「一人じゃないよ!」ということに尽きます。
そして、来てくれて「ありがとう」という思いを込めてお話しています。

内容はこちらです。




ママまだかな~。もう遊ぶの飽きちゃったし・・・おなか減ったよ。 


 
キラーン☆ 困ったきょうだいを見つけたら・・・


白衣を脱いで 変身だ!

 
ジャーン!! きょうだいレンジャー、参上!

 
きょうだいレンジャー?

それは きみたちのことをお助けする、レンジャーのことだよ。

 
みんな、きょうだいが入院して、困っていること、ある?

う~ん、例えばねぇ・・・

 
お見舞いができないとか・・・

 
ママの帰りが、ちょっと遅くなっちゃったとか 

(お留守番が増えちゃったとか)

 
きょうだいが「外泊」してきても、胸に管がはいってたり、髪の毛が抜けちゃってたり。

みんな、いろいろ気になって、いつもの感じじゃないみたい。

嬉しいのに、どうすればいいか、ちょっと難しい。

 
本当はちょっとだけイイなぁ・・・とか、ずるいなぁとか思っちゃったりね。

ひとりで考えると、なんだか、よくわかんなくなっちゃう。



 
でも、大丈夫だ!

みんなには、きょうだいレンジャーがいるよ。

 
僕たちは、みんなの味方だよ。

わからないことは、なんでも話してね。

 
パパもママも、みんなのことが だ~好きで、すっごく気にしているんだよ


みんな きみたちを応援しているよ。

そばにいなくても、味方はいっぱい。

大丈夫だからね



この紙芝居は、きょうだいイベントの際に使用したり、個別に病棟内を案内する際に使用したりしています。
これまでの反応は、じっくり聴くきょうだいさんが多く、小学校高学年くらいの少し大きなきょうだいさんのなかには笑いながら見ている方もいました。

全国のがんばっているきょうだいのみなさんにきょうだい支援の輪が広がっていってほしいと思い、
この紙芝居を公開させていただきました。(入院しているきょうだいさんの状況によってはこの紙芝居の内容と合わないところもあるかと思います)

そしてこの紙芝居のイラストは、きょうだいレンジャーの友人の石井さんが善意で作成してくださいました。本当にありがとうございます!!

※ご利用にあたりまして内容の変更やイラストの使用などご自由に変更していただいても構いません。が、大変厚かましく申し訳ありませんが、オリジナルイラストですので、右下のStLukesマークを必ず入れていただきますようお願いいたします。

PDF版はこちらです。

 



2013年11月2日土曜日

きょうだいミーティング

先月29日に10月のきょうだいミーティングが開かれました。次回のきょうだいイベントの日程・内容調整と最近のきょうだいさんの様子を話しました。

実感としてですが、きょうだいと入院して早期からの意識的なコミュニケーションによってすごく良い関係性を早期に築くことができているといった話があがりました。

また、私たちの活動は院内のグループであるという点からも、入院しているきょうだいが体験していること(検査や治療)や、生活している現場をのぞくことが、きょうだいにとって、入院してしまったきょうだいを理解するのに効果的ではないかといった意見が出ました。こうした意見を踏まえてイベント内容もつめています。

次回のきょうだいイベントは、11月9日。小児病棟が開催するバーベキューの終了後を予定しています。病棟でのイベントときょうだいイベントを同日に開催するという初めての試みです。またこちらでご報告させていただきたいと思います。



そしてそして、ここからは宣伝です・・・。

11月末には小児がん看護学会。わたしたちのチームが活動しているのは小児がんの子どものきょうだいさんだけではありませんが、この場をお借りして、これまでの活動をまとめ、評価し、今後のきょうだい支援につなげていくために、当日までにしっかりまとめて発表させていただきます。

第11回小児がん看護学会@福岡にて、発表は12月1日の午前、きょうだい支援のセッションです。詳細はホームページをご覧ください。

また、午後にはがんの子どもを守る会公開シンポジウムにて
「きょうだいについて語ろう-ガイドライン作成に向けて-」
という題でワークショップも開催予定です。
きょうだい支援についてじっくり考えることができる1日となりそうですね。
ぜひきょうだい支援にかかわるたくさんの方とお話できたらと思います!

きょうだいレンジャー、きょうもゆく・・・

2013年9月10日火曜日

しぶたねさんの10周年イベントに参加させていただきました

一昨日、関西で長年きょうだい支援に取り組まれていらっしゃる「しぶたね」さんの見学にお邪魔してきました!
しぶたねさんは、10年もの間きょうだい支援に取り組まれていらっしゃる、きょうだいレンジャーの大先輩です!!(私たちはまだ1年ちょっと)
大阪に行く前から、「どんなお話ができるだろう?」「あんなことは、こんなことはどうしているんだろう??」と高鳴る鼓動を必死に抑え、ちょっと大阪らしい場所も観光しながら向かいました。

会場に入ると暖かく迎えていただき、イベントに参加させていただきながら、きょうだい支援の現状や課題についてじっくりお話することができました。

まず驚いたのが、スタッフの多くがボランティアで運営されているということ、そしてみなさん長年にわたって継続してやっていらっしゃるということでした。
私たちは一病院としての活動で様々な職種で活動していますが、医療者のみで運営しています。これからの支援体制を考えた際に、ボランティアさんの存在は大きなパワーをくれるに違いないと思いました。

シブレッドさんはじめみなさんの遊びの提供もすごく魅力的で盛り上がり、勉強させていただきました。
また、遊びの内容では、ごぼうの袋を使った遊びや紙のビーズなど、子どもたちに安全でいて楽しい遊びがたくさんありました。私たちのきょうだいの会でも取り入れさせていただきたいと思いました。

当院では、きょうだいはイベントなど特別なときには医師の診察や体調チェックシートを用いたチェックのもとで病棟内に入ることができますが、きょうだいが病棟に入ることに対する抵抗が強く中に入れないといった病院もありました。そんななかでも、イベントを通して病棟内の生活が垣間見えるようクイズをするといった工夫をされていました。さまざまな病院・支援グループがそれぞれの抱える課題のなかでも、同じ気持ちをもっていらっしゃることを強く感じました。

また、より広い視点で退院後のきょうだいのフォロー体制への不安や課題を抱いていること、やはり子ども、親、きょうだいそれぞれのバランスをみるといった、「家族」を支えていくという視点が必要だといったお話にもなりました。私たちが実感していることと全く同じだったので、やっていること、やろうとしていることはおそらく間違っていない、とちょっぴりうれしくなりました。


しぶたねのみなさん、本当にありがとうございました。また、きょうだい支援の会の有馬さん、ワハハネットワークの吉田さんも、お話の機会をいただきありがとうございました。これからもいろんなつながりを大切に、きょうだい支援の輪を少しずつ広めていけたらと思います。

これからも、きょうだい支援の芽がちょっとずつ生えて、全国のきょうだいに届きますように。


きょうだいレンジャー、今日もゆく…







2013年9月6日金曜日

第4回きょうだいイベントを行いました!

だいぶ間があいてしまいました。
この間、夏祭りやきょうだいイベントに向けたミーティングといろいろな活動をしてはいたもののなかなかブログに書き込むことができず、きょうだいイベントを迎えてしまいました(^_^.)
というわけで、今回はきょうだいイベントのご報告です。

8月31日(土)、第4回きょうだいイベントを開催しました。
今回はこれまでで最多の9名のきょうだいにご参加いだたきました。



午前はそれぞれはじめましてということでゲームでオリエンテーリング。
他院でもきょうだい支援にとりくんでいらっしゃる某N先生(当院に現在勤務中)の案もあり、他己紹介もしました。これがまたとても盛り上がりました。

そして毎回恒例となってきたお医者さん、患者さん体験。


午前のおわりには医療者から、きょうだいのみんなに、
「一人じゃないよ!」というメッセージをこめた紙芝居を読ませていただきました。
それぞれのきょうだいが、それぞれの親御さんが、それぞれの思いでじっくりと聞かれていました。



そしてお昼はいよいよ病棟へ。
ごはんは入院中のきょうだいと一緒に食べます。
久しぶりの一家団欒の時間を楽しんでいただきました。


午後はChild Life Specialistの方たちから、Climbというサイコロを用いて自分の気持ちを表現するというプログラムを実施していただきました。



最後に病棟たんけんマップを用いた病棟内のスタンプラリーをし、記念品を渡し終了となりました。




きてくださったごきょうだいのみなさん、本当に来てくれてありがとうございました。


また新たな課題やよかったところが見えてきました。毎回のイベントが私たちに新しい発見をくれます。これからも細く長く続けていけたらと思います。

きょうだいレンジャー、きょうもゆく・・・



2013年7月13日土曜日

『星に願いを☆』  保育士より




小児病棟では季節にそったイベントを大切にしています。
病棟に長くいる子が多いので四季の変化を感じられるよう、
多職種が協力して企画、実行しています。

今月はじめは「七夕」でした。
病棟にも大きな笹がきて、笹飾りとともに
患児や家族、スタッフのお願いが書かれた短冊が
飾られました。

Sちゃんのお姉ちゃんのお願いは
「Sちゃんの病気が治って早く家に帰ってきますように。
看護師さんになれますように」でした。

お家で待っているきょうだいの願いも天に届きますように☆


次は夏祭りがあります。
きょうだいも参加する、一大イベントです。

一人一人が楽しめますように!


2013年6月10日月曜日

病棟バーベキューを行いました

先月病棟のバーベキューが開催されました。
お天気もすかっと晴れてむしろひなたにいるのがつらいほどでした。

病棟のバーベキューは現在春と秋の年2回実施しています。
このイベントにはきょうだいも参加できることになっています。
今回もおよそ10名ほどのきょうだいが参加してくださいました。

入院中のきょうだいと会う前に、体調のチェックをします。



チェックでOKをもらったら、きょうだいとの再会です。


バーベキュー会場は病院から歩いて数分の公園にあります。

到着すると、先発隊がすでに火おこしをしていました。



栄養科の方々が協力してくださりいろいろなものを焼いてくれました。

メニューは事前に子どもたちのミーティングで決まったものが並びます。
フランクフルト、焼き野菜、焼きそば、焼き鳥、焼肉、とん汁・・・

治療中はベッドで横になって食事もすすまない子も、この日は大好きなつくねの焼き鳥を4本ぺろりでした!


そしてデザートのアイスクリームには長蛇の列ができました。


家族みんなが笑顔になったひとときでした。

一家水入らずの時間を過ごす様子に見とれて、料理の写真を撮るのを忘れてしまうほどでした。

チームによるきょうだい支援をはじめて約1年、たくさんのスタッフが子どもだけでなくきょうだいの名前も覚えて、自然と家族の輪に入り会話が生まれていました。
そんな様子がみられたことが、一番うれしかったです。


そんな楽しかったイベントを無事終え、支援チームでは夏のイベントに向けた準備がもうすぐ始動します!






2013年5月3日金曜日

きょうだい担当医師より

20年以上前、
病棟に入れないけれども、毎日お見舞いに来ているお姉ちゃんに、
お医者さんが、弟の状態がとても悪いことを説明してくれました。
みんなで一生懸命頑張っているけれども、治すことは難しくなってしまった、と。
数年経って、その話しの意味が、弟が死んでしまうこととは思わなかった、
わかっていたら、してあげたいことがたくさんあったのに、とそのお姉ちゃんは話してくれました。

また、あるお姉さんが入院しなければならなくなって、
その家の小さい妹は、親戚の家にあずけられることになりました。
どうして、お母さんと一緒に居られない生活になったのか分からないまま、
夕方になると、毎日かかってくるお母さんからの電話の声を楽しみに、
生活していました。
お姉さんが退院してきてからしばらくすると、
お姉さんや、お母さんがまた急に遠くにいってしまうんじゃないか、と
妹は心配に思い、学校に行けなくなってしまいました。

病院からは見えないところで、
きょうだい達は、みんな 本当によく頑張ってくれていました。
病気の子どもが退院して、治療が必要なくなったころになると、
少し具合悪くなるきょうだいたちがいました。
そんなきょうだい達とたくさんの話をして
当時の寂しかったこと、心配だったこと、もやもやしていたこと、
そんな中でほんの少しの楽しみをみつけながら
頑張っていたことを教えてくれました。

そして、10年以上まえから、
長い治療が必要な子が入院すると、
きょうだいの担当をしてくれる人がいることを
紹介してもらうようになりました。
それでも、お父さん、お母さんは、
入院中におきるさまざまなことに対処することが精いっぱいで、
きょうだいのことを気にかけている余裕はありません。

でも、病院の中では、お父さん、おかあさん以外に、
いろいろな人たちがきょうだいのことを気にしてくれるようになりました。
看護師さん、ソーシャルワーカーさん、保育士さん、チャイルド・ライフ・スペシャリストさん、お医者さんたちも・・・
きょうだいの味方になりたい!と思う人たちが集まったら、
すごいパワーを持った”きょうだいレンジャー”
に、変身できるようになりました。

「君たちが、お家で頑張ってくれてること知ってるよ~」
「いつでもおいで、待ってるよ~」
「なんでも聞いて!教えるよ~」

きょうだいレンジャー 今日も行く~~

2013年4月11日木曜日

きょうだいレンジャー誕生秘話

きょうだいレンジャーはなぜ誕生したのか?
今日はその疑問を考えていきたいと思います。

いままでできょうだい支援についての関心が高まるのは、考えてみると
・きょうだいに何らかの問題が取りざたされたとき
・患児がターミナルケアに移行していくとき
・看護師がきょうだい支援の必要性を直感したとき
等がありました。

この実情の問題点を整理してたところ、、
①そういうときの支援の必要性はプライマリーナースの裁量によるもので個人で考えているケースが多かった
②支援したいと思っても医療者との信頼関係が築けておらずスムーズに介入できない
といったことがわかりました。

こうしたことから、まずはプライマリーナースが背負ってきょうだい支援を行っているという現状は個人の裁量により質に差が生じる可能性があり、それをよりよくしていくためにはきょうだい支援をプライマリーとは別の枠組みで支援していく必要があると考えました。
また、支援していくタイミングについても、これまでは必要と判断されたときというのが一般的でしたが、とくに長期入院が予測される家族には、入院のオリエンテーション時にきょうだい支援の資料をはさみきょうだいへのサポートをしていきたいということを親に伝え、入院早期にきょうだいレンジャーときょうだいが顔見知りの関係になるようにしました。1番のタイミングは診断・治療などのインフォームド・コンセントにきょうだいも呼び、きょうだい向けに説明をした際にきょうだいレンジャーの存在を伝えるようにすることです。

ここまでの関係性づくりがきょうだい支援をスムーズに介入するために非常に大きなステップになるんではないかと考えています。
こうした背景をもとに、2012年4月、活動が始まりました。