2014年5月29日木曜日

頑張ったあなたを表彰します

 

 心の底から、おめでとう!


「この仕事に就いて本当に良かった」
そう思うことは 数限りなくあるのですが、退院の日はまた特別で、得難い感動があります。
先日も、そこに立ち会うことが出来ました。
嬉しくもあり、さみしくもある。でもやっぱり嬉しい、退院の日。
感慨深い気持ちで、朝から ついついその子ばかり見てしまいます。

いよいよ帰宅の時、晴れ晴れとした表情で、同室の子どもやスタッフを前に挨拶します。
とても立派に、その子なりの感謝の言葉を述べてくれました。皆から盛大に拍手をもらい、外泊の時とは比べ物にならないくらいの たくさんの荷物を抱え、出口へ向かいます。

「おめでとう!」
「今度は外来でね〜♪」

手がちぎれんばかりに大きく振りながら、茶目っ気たっぷりに「(ここへは)もう来ませーん!!」
はい。こちらも、同じ思いです。

そして何度も何度も、深々と頭を下げるご両親。
どれだけ寝れない夜を過ごしただろう。どれだけ代わってやりたいと思っただろう。のどの奥に、たくさんの小石を詰まらせたまま、毎日毎日 休みなくお見舞いして、帰って洗濯して、食事作って、掃除して、寝て、また朝が来て。人によっては、そこに仕事が入って・・・。
本当に、いつも思います。頭が下がるのは、こちらのほうです。 

さて、頭が下がるのは、もちろん我らが きょうだいさんも同じこと。
突然、自分の家族に何かが起きて、よくわからないけれど、お留守番が増えたり預けられたり。病院へ来ても、お見舞いできずに過ごしたり。そのおうちによって、きょうだいへの対応は さまざまですが、大変であることは間違いないでしょう。
だからやっぱり、退院の時は 同じようにお祝いしたいのです。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 
 
本当に頑張りました!!


ささやかだけれど、頑張ったあなたを表彰します。
心の底から、おめでとうございます。



きょうだいレンジャー、きょうもゆく・・・

2014年5月21日水曜日

静止画像の向こうから・・・


ピンポーン♪

ほぼ毎日、17時過ぎに訪ねてきてくれる女の子がいます。
インターホンのカメラには映らない、小さな女の子。静止画像の向こうから、声だけが聞こえます。


うまく撮れない!! とりあえず、こんな感じです。
動かない画ですが、声だけ聞こえるのです (^-^)
 
 
「あのぉ、えっと、あの・・・〇〇なんですけど、あ、あのぉ、レンジャーの人にサイン・・・あ、書いてほしいです」 
インターホンに向かって一生懸命 しゃべってくれます。カワイスギル  (*’∇’*)〜♥

ほぼ毎日ですから、あっという間に24ポイント。カード1枚目終了です。
数日前から「あと2ポイントだね」「あと1ポイント!」と指折り数えていました。そして、めでたく24ポイントがたまりました。



・24ポイント!!
もちろん、ガチャガチャ★しました
ボロボロのカード。額に入れて飾りたいくらい♥
〇〇ちゃん、本当にありがとう。

 
スペシャルプレゼントの・・・バケツ!?



ジャーン♪ 選ぶのも楽しい、スペシャルなスペシャルなプレゼントです★

 
バケツに頭を突っ込み、悩みに悩んで、好みのプレゼントを自分で選びました (^^)b
ちなみに こちらのプレゼント、病棟スタッフや慈善団体からの現物寄付をコツコツためたものです。
(写真用に、つい見栄えがいいものを上に置いていますが…某有名ハンバーガーチェーン店「幸せセット」のオモチャなど、ささやかな内容となっております〜(´∇`;)
スタッフ皆、〇〇ちゃんが喜んでくれたと聞いたら、感涙ものでしょう。

帰り際、私を見上げながら、体をクネクネ。
「ねぇねぇ、新しいカード、またもらえる?」
はい、もちろん。喜んで差し上げますよ。
「やったぁ! またポイントためられる!! 私ね、これ(ガチャガチャ)始まる前、いつも待っているのつまらなかったんだけどね、これ始まってからは楽しいんだぁ〜」

ほ、ほ、惚れてまうやろーーー♥♥♥

病院へ来て、ただただ待つだけのロビーから、1ポイントと1ガチャガチャ。
景品につられているだけ? と言われれば、それまでですが、こうして関わり続けることで 「あなたも仲間だよ」「気にかけているよ」のメッセージが伝わってくれたなら・・・嬉しいですね。


きょうだいレンジャー、きょうもゆく・・・

2014年5月15日木曜日

イベントの裏側で・・・レンジャーは見た!!

新緑のころ、いい季節ですね。
病棟では恒例のBBQが開催されました。BBQは、きょうだいが一緒に参加できる病棟イベントのひとつ。朝からテンション、あがります (^^♪



ロビーにて、レンジャーは見た!!


きょうだいさんは、まずロビーに集合します。イベント前の診察が必要だからです。
私、診察をするDrレンジャーとロビーで皆を待っておりますと・・・チーン☆ エレベーターが到着!

「あ、いたぁ〜♪」
「あら 〇〇ちゃん、来てくれてありがとう。きょうだいレンジャーです」
 って、あれ? 私を通り越した視線は、以前に会ったことのある きょうだい仲間へ。
「あ、おう!」
「あの子ね、知ってるよ。ふふふぅ。ねぇねぇ、あのさ・・・」

ぽかんとする私。
レンジャーの存在を全く無視した、ロビーで交わされる会話に声も出ません。
そう、嬉しすぎて!! 感動して、もうキュンキュンしちゃいます (*´ ∇ `*)〜♥♥
きょうだい同士が その再会を喜び合う姿や、当たり前のように、ロビーにきょうだいの居場所があることを実感し、胸がいっぱいになりました。

その後も、柱の陰からウムウムと、きょうだいを見守るだけのレンジャーなのでした。

わたくし、思わず涙…(イメージ画像)

残念な時もあります。でも、何とかします。


イベントは楽しみなものですが、おうちの都合や体調などで、参加できないこともあります。でも、病院を目の前にして参加できないとしたら・・・その無念たるや、想像以上でしょう。
今回、そんな残念なことがありました。あるきょうだいさんの風邪が治りきっていなかったのです。
お熱はなく、症状も落ち着いてきた頃でした。ご両親も迷われていたのだと思います。迷って、迷って・・・病院に連れてきた途端、機嫌が悪くなってしまいました。診察後、ご両親とも相談し、帰宅することになりました(涙)
一方、本人はそう簡単に切り替えられません。病棟の扉の前で、座りこんでしまいました。
何を言っても、納得できません(イメージ画像)

「行きたかったよね」「お庭でちょっとだけ遊ぼうか?」などなど声をかけるも、 うなだれて首を振るばかり。あれこれ提案し「じゃあ・・・ガチャガチャしようか?」と尋ねると「あ、うん!!」
あぁ、よかった♥
ガチャガチャを持参する頃には、笑顔で待っていてくれました。お土産をひとつもらって「ばいばい、またね」ができました。
〇〇ちゃん、今日は来てくれてありがとう。今度いっぱい、遊ぼうね。

またきてねぇ〜、待っているわよぉ〜(心の声。イメージです)
 

ロビーで繰り広げられる、きょうだい模様。
柱の陰で見守りながら、彼らにとって、少しでも「いい場所」になれるよう、これからも頑張ります。


きょうだいレンジャー、きょうもゆく…